ポイント
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サイバーセキュリティ演習の演習教材と演習環境のオープン化トライアルを開始
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演習実施の障壁であった演習教材の開発や演習環境の構築・維持の負担を軽減
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参画する民間事業者や教育機関を募集
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)サイバーセキュリティネクサスは、国内のセキュリティ人材育成を促進するため、NICTが開発した演習教材と実機の演習環境から成るサイバーセキュリティ演習基盤CYROP*のオープン化トライアルを開始します。演習基盤をオープン化し広く提供することにより、セキュリティ人材育成の障壁を取り除き、国内の民間事業者や教育機関における人材育成事業の促進を目指します。
*CYROP: CYDERANGE as an Open Platform
背景
セキュリティ分野の人材不足が叫ばれて久しく、セキュリティ人材の育成が依然急務となっています。組織を模したネットワーク環境でインシデント対応を体験できる実機サイバー演習はセキュリティ人材育成の有効な手段ですが、演習教材の開発や、実機を使った演習環境の構築・維持は容易ではなく、演習実施の障壁となっていました。
NICTは2017年にナショナルサイバートレーニングセンターを創設し、主に国の機関や地方公共団体向けに実践的なサイバーセキュリティ演習事業を行ってきましたが、これに加えて、国内の民間事業者や教育機関による自主的なサイバーセキュリティ演習の実施を支援する仕組みが求められていました。
今回の成果
NICTは、昨年2021年4月1日(木)に、サイバーセキュリティ分野の産学官の『結節点』となることを目指した新組織CYNEX(Cybersecurity Nexus: サイネックス)を発足しました。今回、CYNEXの4つのサブプロジェクトの1つであるCo-Nexus Cにおいて、サイバーセキュリティ演習基盤CYROPのオープン化トライアルを開始しました。
CYROPは演習教材と実機の演習環境から成ります。これまで主に国の機関や地方公共団体向けに実施していたサイバーセキュリティ演習の演習教材と演習環境を、セキュリティ人材育成事業の実施を希望する民間事業者や大学等の教育機関向けにオープン化します。また、産学官で必要とされる様々な演習教材を順次開発していきます。
今回のオープン化トライアルは、2022年度末までの期間限定で実施するものです。このトライアルによって演習を実施する組織からフィードバックを得て、演習教材の拡充や演習環境の高度化等を行い、2023年度にCYROPの本格運用を開始する予定です。
今後の展望
サイバーセキュリティ演習基盤CYROPをオープン化し広く提供することにより、セキュリティ人材育成の障壁を取り除き、国内の民間事業者や教育機関におけるセキュリティ人材育成事業の促進を目指します。そのため、引き続きCYNEXへの参画組織を募集いたします。
なお、今回のオープン化の最初のトライアルとして、2022年2月8日(火)から株式会社日立ソリューションズ・クリエイトにおいて、CYROPを利用したサイバーセキュリティトレーニングサービスの申込受付が開始されます。