Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」を大型アップデート!

〜『攻殻機動隊 SAC_2045』のキャラクターで遊んで学べるゲーム機能を開発〜
2023年10月16日

国立研究開発法人情報通信研究機構

ポイント

  • Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」を大型アップデート
  • 『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界でセキュリティの知識を習得できるゲーム機能を開発
  • 2023年10月16日(月)から新タチコマ・セキュリティ・エージェントの無償ダウンロードを開始
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー、理事長: 徳田 英幸)サイバーセキュリティネクサスは、Web媒介型サイバー攻撃の実態把握と対策技術向上のためのユーザー参加型プロジェクト「WarpDrive*」の大型アップデートを行い、アニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界に没入しながらセキュリティの知識を習得できるゲーム機能を開発しました。新しいタチコマ・セキュリティ・エージェントは、2023年10月16日(月)からWarpDriveポータルサイト(https://warpdrive-project.jp/)で無償ダウンロードを開始しました。
*Web-based Attack Response with Practical and Deployable Research InitiatiVE

背景

悪性のWebサイトを閲覧するだけでマルウェアに感染するWeb媒介型サイバー攻撃の実態把握と対策技術向上のため、NICTは、ユーザー参加型のWeb媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」を推進しています。WarpDriveは、アニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』とタイアップして、PC向けにタチコマ・セキュリティ・エージェント(以下「タチコマSA」)、Androidスマートフォン向けにタチコマ・セキュリティ・エージェント・モバイル(以下「タチコマ・モバイル」)を無償配布し、参加ユーザーのWebアクセスの観測、分析、警告などを行ってきました(図1参照)。

図1 WarpDriveポータルサイト
https://warpdrive-project.jp/

今回の成果

今回のWarpDriveの大型アップデートでは、Androidスマートフォン向けのタチコマ・モバイルに、ユーザーが『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズの世界に没入し、遊びながら現実社会のセキュリティやITの知識を学べるゲーム機能「訓練プログラム」を追加しました。
ゲームの中で、ユーザーは、公安9課(通称、攻殻機動隊)の新人捜査員となり、訓練プログラムを受けます。訓練では、各種コースでタチコマを操作しながら、セキュリティやITにまつわる3択クイズを解いていきます。コースをクリアすると、作中に登場するキャラクターのメダルを獲得することができます。全てのメダルを集めるためにコースを周回するうちに、セキュリティやITの知識が身に付いていきます(図2〜図5参照)。

図2 コース選択画面
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図3 コース走行画面
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図4 クイズ画面
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図5 リザルト画面
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訓練プログラムの他に、タチコマ・モバイルには以下の機能が実装されています。多数の参加ユーザーがWarpDriveと悪性サイトの情報を共有することによって、プロジェクト全体の観測・分析能力が向上し、それぞれのユーザーのスマートフォンのセキュリティを高めることができます。

  • タチコマに報告: 疑わしいサイトやSMSメッセージ、スパムメールなどを報告する機能(図6参照)
  • プロファイル: スマートフォンの利用状況を確認する機能(図7参照)
  • 過去のお知らせ: WarpDriveプロジェクトからの過去のお知らせを表示する機能(図8参照)
  • コレクション: 訓練プログラムで収集したメダルなどを確認する機能
  • アンケート: タチコマが時折、セキュリティに対する意識などの質問をする機能
  • 悪性サイト検出(自動): 独自のブロックリストで悪性サイトへのアクセスを検出して注意喚起する機能
  • 悪性サイト予測(自動): 悪性サイトにたどり着く可能性の高いワードを検索した際に注意喚起する機能
  • セキュリティレポート(自動): 悪性サイト検出・予測の結果を月に1回ユーザーに報告する機能
図6 タチコマに報告
図7 プロファイル
図8 過去のお知らせ


また、PC(Windows及びmacOSのChromeブラウザ)向けのタチコマSAについても、ダッシュボードなどのデザインを一新するとともに、新たに『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズの壁紙を追加しました(図9、10参照)。

図9 タチコマSAダッシュボード
図10 HISTORY(閲覧履歴表示)機能

今後の展望

WarpDriveは、タチコマSAとタチコマ・モバイルの継続的なアップデートを行うことで、より多くの参加ユーザーを募り、Web媒介型サイバー攻撃の実態解明や対策展開を更に進め、Web空間の安全性向上を目指します。今後の主なアップデート予定は以下のとおりです(2023年12月下旬予定)。
 
  • タチコマSA
    • ゲーム機能: 訓練プログラム追加
    • コンタクト機能: WarpDrive運営とのコンタクト機能追加

  • タチコマ・モバイル
    • ローカルスキャン機能: スマートフォン周辺の調査機能追加
    • マテリアライズ機能: ゲームのポイントを使ったコレクションデータ獲得機能追加

関連する過去のプレスリリース

用語解説

『攻殻機動隊 SAC_2045』
情報ネットワークとサイボーグ(義体)技術の発達により人々の意思が“電脳”に繋がれた近未来において電脳犯罪に立ち向かう全身義体のサイボーグ・草薙素子率いる攻性の組織、攻殻機動隊。1989年に士郎正宗により発表された原作コミック『攻殻機動隊THE GHOST IN THE SHELL』を起源とし、アニメーション、ハリウッド実写映画など様々な作品群が展開され、その先鋭的且つ圧倒的な世界観とビジュアル表現により、全世界のクリエイターに影響を与えてきた近未来SFの金字塔が新たな未来像を提示する。

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会


タチコマ

士郎正宗によるSF漫画『攻殻機動隊』を原作とし制作されたアニメ『攻殻機動隊S.A.C.』及び『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズに登場する自律走行可能な思考戦車のこと(図1参照)。高度な人工知能(AI)を搭載しており、操縦者なしでも独自に任務を遂行することができ、電脳空間においては、情報収集や危険な状況の察知など、公安9課のメンバーを強力にサポートしている。

本件に関する問合せ先

サイバーセキュリティ研究所
サイバーセキュリティネクサス

井上 大介、安田 真悟

広報(取材受付)

広報部 報道室