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前島密賞は、逓信事業の創始者「前島密」の功績を記念し、 その精神を伝承発展せしめるために設けられたものです。情報通信事業(郵政事業を含む)及び放送事業の進歩発展に著しい功績のあった者に贈呈され、本年度、NICTからは2件の受賞がありました。NICTでは、職務として行った研究開発の業務において、特に顕著な業績があると認められる者にフェローの称号を授与することとしており、令和2年7月1日、鳥澤健太郎ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センター センター長に称号を授与いたしました。概要 ●受賞内容:【高速衛星ネットワーク技術の高度化に向けた研究開発】●受賞日:2020年9月18日概要 ●受賞内容:【空間分割多重光ファイバ伝送技術の研究開発】●受賞日:2020年9月18日受賞の言葉 5GやBeyond5Gなど、今後益々増加していくインターネットトラヒックを収容する光ファイバ通信の、抜本的な容量拡大を目指して本研究を推進門脇 直人(かどわき なおと)国立研究開発法人情報通信研究機構 理事淡路 祥成(あわじ よしなり)ユニバーサルコミュニケーション研究所 研究統括/ネットワークシステム研究所 フォトニックネットワークシステム研究室 研究マネージャー 坂口 淳(さかぐち じゅん)ネットワークシステム研究所 フォトニックネットワークシ ステム研究室 主任研究員Puttnam Ben(パットナム ベン)ネットワークシステム研究所 フォトニックネットワークシステム研究室 主任研究員Soares Luís Ruben(ソアレス ルイス ルーベン)ネットワークシステム研究所 フォトニックネットワークシ ステム研究室 主任研究員Rademacher Georg Friedrich(ラーデマッハ ゲオルグ フレデリック)ネットワークシステム研究所 フォトニックネットワークシステム研究室 研究員65th Maejima Award■公益財団法人 通信文化協会  第65回 前島密賞 鳥澤センター長は、専門であるコンピュータサイエンスはもとより、哲学、歴史等、全く異なる分野への造詣も深く、これまで広い視野で、AIの一種である自然言語処理の研究を進めてきました。 同氏がNICTにおいて開発を主導してきた一連の大規模自然言語処理システムであるWeb情報分析システムWISDOM X、対災害情報分析システムDISAANA/D-SUMM、次世代音声対話システムWEKDAは、いずれも、同氏の視野の広さと、コンピュータサイエンス、自然言語処理における高い研究スキルが結合することによって生まれたものです。さらには、同氏が民間企業や他の国研と共同で開発を進めている高齢者向けマルチモーダル音声対話システムMICSUS、防災チャットボットSOCDAの開発においても、これらの広い視野やスキルが大きく貢献しています。 これらの複雑かつ大規模なAIシステムは、自然言語処理研究者から並列分散計算の専門家、言語学者までを含む多数の研究者やプログラマ、データ作成者からなるチームを同氏がまとめ上げることにより実現したものであり、氏の優れたリーダーシップを示すものです。また、同氏が手がけたシステムは、自治体等で防災訓練や実災害で活用されており、民間企業へのソフトウェアライセンスの提供も行われています。氏の構想力、実績は、日本学術振興会賞、文部科学大臣表彰、Twitter Data Grants等、多数の受賞等でNICT外からも高く評価されています。鳥澤 健太郎(とりさわ けんたろう)ユニバーサルコミュニケーション研究所 データ駆動知能システム研究センター センター長受賞の言葉 電波研(当時)入所以来、衛星通信の研究に携わり、WINDSの開発を主とする高速衛星ネットワークの技術開発成果を認めていただき、受賞することができました。ご指導いただいた諸先輩方をはじめ、研究を支えて下さった多くの皆様に感謝いたします。してきました。産学と緊密に連携しつつ幾つもの世界記録を達成できたのもNICTでのご理解ご支援の賜たまものと思います。今後も究極性能や実用化促進を目指して努力してまいります。左から、ラーデマッハ ゲオルグ フレデリック、ソアレス ルイス ルーベン、パットナム ベン、淡路 祥成13NICT NEWS 2020 No.6TOPICS

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