NICTは、このほどタイ国バンコクにおいて、チュラロンコン大学とタイ国家電子コンピューター技術研究センター(NECTEC:National Electronics and Computer Technology Center)との共催により、同大学内において「ASEAN IVOフォーラム2022」を開催し、オンライン遠隔参加を含め、約140名が参加した。ASEAN IVOは、国連が定めた持続的な開発目標に掲げた課題について、ICTを活用して解決することを促進することを目的として、2015年2月にNICTの呼びかけに東南アジア地域の大学および研究機関が応じて設置されたバーチャルな研究連携組織である。ASEAN域内共通の社会課題を解決するアイデアを共有し、また連携プロジェクトの成果を発表するフォーラムは、域内のICT研究開発を促進するため、ASEANの国々において毎年開催している。
今回のフォーラムでは、NICTの矢野理事、チュラロンコン大学のカセム副工学部長、NECTECのチャイ所長による開会挨拶に続き、NICTの矢野理事、チュラロンコン大学のスポット工学部長、NECTECのチャイ所長による記念品の交換が行われた後、タイ政府のICT政策をデジタル経済推進機構のカサマ副総裁、ICT R&Dの推進プログラムなどを国家科学技術開発機構のサルン副長官が紹介し、ASEAN地域10か国の大学や研究機関等の参加を得て、Food、Environment Protection and Disaster Prevention、Secure and Smart community、Health and Welfare、Technology and Applicationsをテーマに、ポスター発表を含め計25件の発表が行われ、戦略的に研究を進めるべきICT領域等に関する議論が行われた。
また、2日目には、ASEAN IVO連携プログラムの下でNICTが研究費の支援を行っている各種共同プロジェクトについて、それらの進捗状況の報告やレビューを行った他、終了プロジェクトについて、それらの研究活動成果に対する表彰を行った。
NICTとしては、ASEAN IVOにおける研究連携活動を通じて、今後とも、東南アジア地域における研究コミュニティに協力し、SDGsの課題解決の加速化に貢献して参りたい。
(参考) ASAEN IVOフォーラムは、昨年はCOVID-19の理由によりバーチャルで開催され、128名がオンライン参加した。次回は調整中であるが、2023年11月頃にASEANの国で開催する予定である。
(ASEAN IVO Forumの開催実績)
2015. 11: Kuala Lumpur (Malaysia)
2016. 11: Hanoi (Vietnam)
2017. 11: Bandar Seri Begawan (Brunei)
2018. 11: Jakarta (Indonesia)
2019. 11: Manila (Philippines)
2020. 11: Online
2021. 11: Online
(ASEAN IVO パンフレット(英文))
https://www.nict.go.jp/en/asean_ivo/Pamphlet_ASEAN_IVO.html